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なぜ120℃で炊くのか?圧力調理でスープの旨味とコクが出やすくなる理由を科学で解説

なぜ120℃で炊くのか?圧力調理でスープの旨味とコクが出やすくなる理由を科学で解説
目次(クリックで開く)

結論:120℃で炊くと、骨とコラーゲンの変化が速く進み、旨味とコクを短い時間で引き出せる

圧力寸胴でスープがおいしく炊ける理由は、100℃を超える約120℃で炊けることにあります。一般に温度が高いほど、骨がやわらかくなる変化や、コラーゲンがゼラチンに変わる変化は速く進みます。明和製作所の業務用圧力寸胴は、この温度を使って、通常8〜12時間ほどかかる炊き出しを約2時間〜2時間半に縮めます(自社実績)。

スープづくりは職人の経験と勘に支えられてきましたが、鍋の中で起きているのは、骨や肉から旨味や脂、コラーゲンを水に溶かし出し、水と脂を混ぜ合わせる(乳化させる)という変化です。この記事では、その変化を温度と圧力の面から整理します。

圧力をかけると、なぜ100℃を超えて炊けるのか

水が沸騰する温度(沸点)は、まわりの圧力によって変わります。圧力が高いほど、水は高い温度にならないと沸騰しません。

開いた寸胴は、100℃前後で頭打ちになる

蓋のない通常の寸胴は、大気圧のもとで炊きます。水は大気圧では約100℃で沸騰するため、どれだけ火を強くしても、スープの温度は100℃前後で止まり、増えた熱は湯気になって出ていきます。

圧力寸胴は、密閉して約120℃で炊く

圧力寸胴は、蓋を閉じて密閉し、内部に圧力をかけることで、100℃を超える温度で調理できる業務用の調理器具です。明和製作所の圧力寸胴は、モデルごとに決まった作動圧力(50L:0.3MPa、90L:0.2MPa、110L:0.15MPa、130L:0.13MPa)で、約120℃でスープを炊きます。二重安全バルブ・圧力計・減圧機構を標準で備えています。

温度が20℃上がると、スープの中で何が変わるか

100℃と約120℃の差は20℃ほどですが、スープの材料にとっては大きな違いになります。

骨がやわらかくなり、髄が溶け出しやすくなる

豚骨や鶏ガラから濃いスープを取るには、硬い骨をやわらかくして、中の髄や脂を溶け出させる必要があります。100℃前後では、太い骨は外側から少しずつしかやわらかくなりません。明和製作所の圧力寸胴では、約120℃で炊くことで、げんこつも手で折れるほどやわらかくなり、骨の中までスープに溶け出しやすくなります。

コラーゲンがゼラチンに変わり、とろみとコクになる

豚足や皮、鶏ガラに多いコラーゲンは、そのままでは水に溶けにくいたんぱく質です。加熱を続けるとゼラチンに変わって水に溶け出し、スープのとろみやコクになります。この変化も温度が高いほど速く進むため、圧力寸胴では短い時間で、とろみのあるスープにしやすくなります。明和製作所のテストでは、2段階加圧でBrix(濃度)最大12%以上のスープに達しています(当社テスト環境での結果)。

乳化:水と脂を混ぜ合わせるしくみ

乳化とは、本来は混ざり合わない水と脂が、加熱やコラーゲンの働きによって均一に混ざり合う現象です。白湯の白さとクリーミーさは、この乳化によって生まれます。

ゼラチンが、水と脂の仲立ちをする

脂が細かな粒になり、そのまわりを骨から溶け出したゼラチンなどが取り囲むと、脂は水の中に散らばったまま浮きにくくなります。通常の寸胴では、強火で激しく沸騰させ、ガラを潰しながら長い時間かき混ぜることで、この状態をつくってきました。

圧力寸胴は、液送ホースで抜くと同時に乳化する

明和製作所の圧力寸胴では、約120℃の加圧でゼラチンがよく溶け出したスープを、液送ホースで抽出すると同時に自動で乳化させます。何時間も攪拌し続けなくても、脂と水が混ざった白湯に仕上がります。澄んだ清湯との作り分けは、清湯と白湯をバルブと圧力操作で作り分ける方法で紹介しています。

旨味と雑味:密閉して炊くことの効果

約120℃という温度に加えて、蓋を閉じて密閉して炊くことも、スープの味に関わります。

香りが湯気と一緒に逃げにくい

圧力寸胴は密閉して炊くため、調理中に激しい蒸気が出ることはほとんどありません。開いた寸胴のように、長い時間湯気と一緒に香りが出ていき続けることがありません。

灰汁は壁面に付きやすく、スープに混ざりにくい

明和製作所の圧力寸胴では、加圧している間、灰汁が寸胴の内側の壁面に付きやすく、スープには混ざりにくくなります。通常の寸胴のように何時間も灰汁をすくい続ける必要はなく、壁面に付いた灰汁は調理後にスポンジと洗剤で洗い流せます。

旨味の相乗効果を意識して材料を組み合わせる

グルタミン酸(昆布や野菜など)とイノシン酸(肉や鰹節など)のように、異なる旨味成分を組み合わせると、単独のときよりも旨味が強く感じられます。これを旨味の相乗効果といいます。圧力寸胴で炊く場合も、ガラに合わせる野菜や乾物の組み合わせで、スープの旨味の厚みを調整できます。

よくある質問

圧力寸胴では、スープは何℃で炊けますか?
明和製作所の圧力寸胴は、蓋を閉じて内部に圧力をかけることで、約120℃でスープを炊きます。開いた通常の寸胴は大気圧のもとで炊くため、どれだけ火を強くしてもスープは100℃前後までしか上がりません。
なぜ、120℃で炊くと時間が短くなるのですか?
一般に、温度が高いほど骨や肉がやわらかくなる変化や、コラーゲンがゼラチンに変わる変化は速く進みます。明和製作所の圧力寸胴では、通常の寸胴で8〜12時間ほどかかる炊き出しが約2時間〜2時間半で仕上がります(自社実績)。
高温で一気に炊くと、エグみや臭みが出ませんか?
明和製作所の圧力寸胴では、加圧している間、灰汁が寸胴の内側の壁面に付きやすく、スープには混ざりにくくなります。ただし、臭みの出方はガラの下処理や材料によっても変わるため、自分の店の材料で試して確かめるのが確実です。
圧力寸胴で、白湯(乳化したスープ)は作れますか?
明和製作所の圧力寸胴では、約120℃の加圧でコラーゲンがゼラチンとしてよく溶け出し、液送ホースで抽出すると同時にスープが自動で乳化します。手作業で攪拌し続けなくても、脂と水が混ざった白湯に仕上がります。
120℃で炊いたスープの違いを、実際に確かめられますか?
明和製作所の圧力寸胴は、東京・大阪のテストキッチンで、自分の店で使うガラや食材を持ち込んでスープを炊き、仕上がりや濃さを確かめられます(事前予約制)。遠方の店舗には、販売代理店のキッチンテクノによる全国出張デモもあります。

まとめ:おいしさは「時間」ではなく、鍋の中の変化で決まる

長い時間煮込んだスープがおいしいのは、時間そのものの力ではありません。時間をかけて、骨がやわらかくなり、コラーゲンがゼラチンに変わり、脂と水が混ざり合うという変化が進んだ結果です。

圧力寸胴は、約120℃という温度を使って、その変化を短い時間で進めるための調理器具です。仕込みの時間を縮めながら、狙ったとろみやコクに近づけることができます。

「120℃で炊いたスープが、いつものスープとどう違うのか」を確かめたい方は、実機のあるテストキッチンで、いつもの材料を使って試してみてください。豚骨スープでの具体的な使い方は、圧力寸胴で狙いの豚骨スープを引くポイントでも紹介しています。

▼【実機で試せる】テストキッチン・全国出張デモのお問い合わせ
・<東京キッチン> テンポス東京ラーメン専門館(東京都足立区東綾瀬2-1-14) 10:00~19:00(日曜定休)
・<大阪キッチン> テンポス大阪ラーメン専門館(大阪府大阪市住之江区北島2-1-8) 10:00~17:00(日曜・祝日定休)
・出張デモ:販売代理店のキッチンテクノが、全国でスープ作り体験を行っています
・お電話でのご相談:明和製作所 06-6462-8221(10:00〜17:00)
https://pressurecooker.pro/contact-ja/

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